全体会・基調講演

「ほんたうのさいはひ」のために私たちがすべきこと~ 日本の危機的環境と個人の役割 ~

日本では何年も前から少子化や高齢化、そして人口減少に伴う様々な社会問題が叫ばれ続けています。また、今年の3月に開催された埼玉全国大会でも取り上げられたように、日本では経済的格差が拡大し続け、かつ、その格差が固定化されてきています。

様々なデータが、日本全体が衰退しながら、格差がどんどん拡大している事実を示しています。(中略)実は、現代の日本が経験しているこうした状況は、人類史上はじめてのことではありません。過去、ローマ文明、漢文明、メソポタミア文明など、その高度に発達した豊かさにもかかわらず、滅んでしまった文明とよく似た道筋をたどっています。こうした過去の偉大な文明も、止められない二極化によって滅びたと考えられているのです。

酒井穣著『自己啓発をやめて哲学をはじめよう』より

司法書士業界においても、登記件数の減少、AIによる事務の代替、資格者代理人方式など、大なり小なり様々な変化が訪れます。こういった変化に対して、ややもすると司法書士自身が自分の仕事や職域など自分たちのこと以外に関心が向かなくなっていく可能性もあります。

「とにかく自分のことで精いっぱいだ」と考えてしまうという現実が、人類を滅ぼそうとしているのです。すべての人が自分のことしか見ていない社会が滅びる運命にあるのは明らかなことではないでしょうか。

酒井穣著『ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方』より

これまで、全青司は「司法書士業界のため」ではなく「市民のため」に活動してきました。社会問題に対して率先して取り組み、それが今日の司法書士業界全体の礎となっています。これから先の未来を明るくしていくためには、司法書士という仕事を与えられた資格というだけでなく、人々の幸せに寄与する仕事としての自覚を持ち、単に「司法書士」という枠組みだけでなく、社会全体に起こりうる事象に危機感を抱きながら、自ら変革をもたらすのだという当事者意識を持って社会や制度の変化に参画していく、そんな能動的な姿勢が今後ますます大切であると、私たちいわて全国研修会実行委員会では考えています。

そこで基調講演では様々な分野で社会問題に取り組みながら新規事業を立ち上げてきた酒井穣氏より、変革をもたらすプロセスや少子化・高齢化そして人口減少が加速する日本の危機的環境とそうした環境における個人の役割についてご講演いただきます。人々の「ほんたうのさいはひ」のために、司法書士としての未来を悲観するのではなく変化、進化していくための多くの気づきを得られるはずです。

講師紹介

【写真】酒井 穣(さかい じょう)

酒井 穣(さかい じょう)

【プロフィール】
  • 株式会社 steekstok 代表取締役社長 CEO
  • 特定非営利活動法人NPOカタリバ 理事
  • 株式会社リクシス取締役副社長 CSO
  • 介護メディアKAIGO LAB 編集長 介護ビジネス・スクール KAIGO LAB SCHOOL 学長
  • 新潟薬科大学生命科学部生命産業創造学科・客員教授
  • その他、新事業開発コンサルや人事コンサルも行う

1972年東京都生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。Tilburg大学TIAS School for Business and Society 経営学修士号(MBA)首席(The Best Student Award)取得。商社にて新事業開発などに従事後、オランダの精密機械メーカーに光学系エンジニアとして転職し、オランダに約9年在住する。帰国後はフリービット株式会社(東証1部)の取締役(人事・長期戦略担当)を経て、東日本大震災をきっかけに独立。2017年には株式会社 steekstok を設立し、代表取締役社長 CEO に就任。東京大学(Learning Bar)や慶應MCC(ラーニングイノベーション論、夕学五十講)、中央大学MBAなどでゲスト講師担当。そのほか月平均2回程度の講演も実施している。

【著書】
  • 『はじめての課長の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
  • 『これからの思考の教科書』(光文社・知恵の森文庫)
  • 『幸せの経営学』(日本能率協会マネジメントセンター)
  • 『曹操』(PHP研究所)
  • 『ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
  • 『ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
  • 『自己啓発をやめて哲学をはじめよう』(フォレスト出版)等
  • 【WEB】「KAIGO LAB」「東洋経済ONLINE」「介護ノミライ研究所」等
【実行委員会による紹介文】
酒井穣氏は、様々な環境の中で「人間の幸せとは何か」ということを追求しながら、その時々の社会問題に取り組み、その解決に資する新しい事業の立ち上げや人材育成をされてきた方です。現在酒井氏が取り組んでいる問題は主に介護の分野ですが、介護の仕事の本質を「身体や精神を患って、日常生活を送るのも困難だという人に「生きていてよかった」と感じてもらえること」と捉えて、介護の分野における情報発信やツールの開発を行っています。介護業界での起業以前より、人間の進化の観点や経営学・心理学・社会学の観点から問題解決の考え方やスキルについて豊富な知識と経験に基づく著作の発刊や講演も行っており、そこには一つの分野にとらわれない共通した指針となる考え方として多くのヒントがあります。

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